今日のビショップ
March23rd
袖を通すと蘇る
甘く儚いあの頃の記憶
大人として生きる時間を重ねるほど、幼少期の記憶はどんどん遠ざかっていく。でも柔らかくて優しい肌触りのものに触れると懐かしい気分になるのは、きっと甘く儚いあの頃の記憶がまだどこかに残っている証拠だ。1886年、ファインニットの肌着メーカーとしてスイスで生まれた〈molli〉。1950年にはベビー服が一躍注目を浴び、多くのパリジェンヌたちの幼い頃の記憶に刻まれているニットブランドだ。2015年にブランドを買い取ったシャルロット・ドゥ・ファイエは〈molli〉を今の時代に合わせて蘇らせ、ベビー服だけでなく、大人の女性向けコレクションをスタートした。コレクションの大半は丹念に選んだ天然素材を使用。ファクトリーブランドとしての着心地のよさや優しい肌触りと、フェミニンで可愛らしさのあるデザインが特徴だ。スポーティになりがちなニットポロも、〈molli〉らしい2色使いのニットステッチがプラスされて、どこか上品な印象に。日々を一生懸命生きる大人の女性に必要なのは、〈molli〉のニットのような優しさや安心感なのかもしれない。
