インドのトラッドとフランスのエスプリの邂逅

国連人口基金（UNFPA）によれば、今年の半ばにもインドの人口が中国を抜く見通しだという。昨今では、ICT（情報通信技術）産業の発展も目覚ましく、このままいけばアメリカ、中国に次いで第３位の経済大国になるのでは、との見解を示すアナリストもいるほどだ。そんな注目を集めるインドだが、さらに伝統的な部分にスポットを当てるといっそう興味を持っていただけるかもしれない。例えば綿花栽培。インドは、紀元前6000年頃にインダス川流域で栽培が行われていたといわれている。そして、2019年の統計では世界最大の生産国にもなるなど、綿花産業の歴史と厚みは世界有数だ。その潤沢な綿花の中でも特に上質なものを選りすぐって作られたのが、〈mii〉の春夏の定番ともいえる「OPEN COLLAR SHIRT」。〈mii〉は、2012年に誕生したフランスブランドだが生産拠点はインド。こちらではインドの伝統的衣装、クルタを彷彿させる適度なゆとりがリラックス感を煽り、さらにインドの伝統的な柄のマドラスチェックをあしらった。着目すべきはブランドらしい独特な配色だろう。インド西部に位置するベンガル州の州都、コルカタよりさらに山奥にあるウィーヴィングヴィレッジにて色柄を出し、カディの糸を交織することで涼感と柔らかな風合いも生み出している。まさにインドの伝統を体現したような一枚。こちらに触れることで、同国をもっと身近に感じることができるかもしれない。