独特な素材使いが放つ個性を
着こなしのスパイスに

バッグほど多種多様な素材を採用しているファッションアイテムはないだろう。レザーひとつとってもさまざまな種類があり、ナイロンなどと合わせると星の数ほどの素材があるといっても大袈裟じゃないはず。イタリア出身のシルビア・ピシュレルが手がける〈Zilla〉は、一風変わった素材使いで異彩を放つバッグブランド。たとえば、自由自在に変形できるアルミニウムの板だったり、ギラギラと光るレフ板用反射シートだったり。さらにはスポンジや玄関マット用ポリプロピレンなど、バッグの固定観念をくつがえす素材が使われているのだ。そうなると、さぞアバンギャルドなバッグなのだろうと思うが、日常使いもしやすいミニマルなデザインに落とし込んでいるのが〈Zilla〉のすごいところ。手持ちでも肩かけでも使える2WAYバッグには、ブランドの定番素材であるメタルサテン地が用いられている。マットな質感ながらほんのり光沢感があるのが独特で、くしゃっとした表情がなんともユニーク。マチを省いてとことんソリッドに仕上げたデザインゆえに、その表情がより引き立ち、ヴィヴィッドな色もどこか品よく見せてくれる。また、肩かけしやすいよう、日本人の身長に合わせたショルダーストラップの長さに別注しているのも見逃せないポイント。どんな着こなしにもマッチするデザインと使い勝手のよさ、そして唯一無二の個性を放つ素材。バッグ好きをも虜にする要素が、このバッグにはつまっている。