ビッグサイズのバラクータ
“掟破り”なその魅力

新境地や新しい価値は、時として既存の概念や伝統を破ることから始まる。Bshopがバラクータに別注した「HARRINGTON JACKET」も、そんな“掟破り”によって新たな魅力を生んだアイテムと言えるかもしれない。ハリントンジャケットとはもともと、ゴルフ用アウターウェアとして誕生したジャケットの総称。1950〜60年代にはイギリスやアメリカで大流行したのだが、その先駆けとなったのがバラクータのそれである。1960年代にスティーブ・マックィーンやエルヴィス・プレスリーなどの映画スターがこぞって着用したことで、その人気は不動のものに。その威光は今なお陰ることはない。今回は〈BARACUTA〉の中でも定番の「G9」ではなく、「G4」をベースに制作。「G4」は通称“ドライビングジャケット”と呼ばれ、袖と裾のリブが無いのが特徴。着たまま車を運転できるアウターとして開発されたのがルーツ。しかしBshopでは、パターンをあえて現代的なビッグサイズに変更。本来のドライビングジャケットとしては掟破りとも言える広い身幅や太めのアームホールを取り入れることで、シャツやニットなどのインナーとも重ねやすく、今の着こなしにも相性が良いアイテムに仕上げられている。〈BARACUTA〉の代名詞である表地や内側のレッドをベースにしたフレイザータータン柄はそのままなので、あくまでクラシックな表情はキープ。誕生から数十年を経たブルゾンの“原点”に新たな魅力を見出した、見逃し厳禁の名別注だ。