シティアウトドアの先駆け
その進化の現在地

アウトドアウェアは、今や街でも主要アイテムのひとつとなった。実用から生まれたスペックに“用の美”ともいえる独自のデザイン性を兼ね備え、山や海ではなく、街で初めて身に付けたという方も多いだろう。そんな、街へと進出したアウトドアウェアの先駆けとなったブランドがある。今や多くのブランドで作られているマウンテンパーカー。その始まりと言われているのが、実は〈SIERRA DESIGNS〉。発表は1968年、登山専用服として生まれ、その高い機能とデザイン性から瞬く間に人気アイテムとなった。その生地として初めて採用されたのが60/40クロス、通称“ロクヨンクロス”だ。撥水・透湿性と強度に優れ、さまざまなハイテク生地が登場している現代でも使用されている名作ファブリックだ。それをベースに、より現代のファッションアイテムとしての手心を加えたのが、今回の「SHORT WIDE MOUNTAIN PARKA」というわけである。配色や、袖口、首元、ポケットなどのディテールはUSメイドのものを踏襲しているため、表情はあくまでクラシック。しかし、オリジナルのXXLサイズをベースに着丈を大胆にカット。身幅とアームホールにゆとりのあるオーバーサイズシルエットで、モダンなショート丈にアップデートし都会的なスタイルを実現している。街でもアウトドアウェアが欠かせなくなった今、アウトドア好きやファッション好きを自負するなら、一度は袖を通しておきたいアイテムと言えるだろう。