最近、巷に浸透している“ウェルネス”という言葉。直訳すると「健康」となる。では、同じく「健康」と訳される“ヘルス”と何が違うかというと、健康を意味する“幅”が違う。肉体的意味合いの強い“ヘルス”に対し、“ウェルネス”は肉体的なことはもちろん、精神的にも充実している状態を指す。その言葉が日の目を浴びたのは、1961年。アメリカの医師、ハルバート・ダンの“輝くように生き生きとしている状態”を提唱する際に使ったのがきっかけとされている。ただ、より一般的に広まったのは、1977年に全米ウェルネス協会が設立されてからだろう。その事実から、心の健康が潜在的問題として昔から認識されてきたことが分かる。ならば、リラックスして着られて、手入れの煩わしさもないスウェットシャツはいい“リハビリ服”と言えるかもしれない。とはいえ、その気楽さからどうしても部屋着との境界線がつきづらいのも確か。その点、〈INSCRIRE〉の“クラブスポーツシリーズ”のスウェットシャツは理想的かもしれない。身幅、袖まわりにゆとりをもたせたサイズ感と、“WELLNESS”の文字がなんともリラックス感を煽る。ウィメンズのみの展開だったものを、今回は丈を20㎝ほど短くするなどサイズバランスを調整し、メンズも着用できるようにオーダーされている。今や主流のワイドパンツとの相性もぴったり。伸び伸び着られ、シーンも問わない一着なら、きっと体も心も解放的になれる。オシャレはもはや我慢より奔放。それを実感させる一着かもしれない。