今、大人たちが手にしたい軍ショーツの一発回答

移ろいの激しいファッションシーンにおいては、長らく愛されるアイテムの方がとりわけ珍しい。そう考えると、メンズカジュアルの大定番ではあるものの、軍由来のアイテムは異質な存在かもしれない。米軍モノが大半を占める中、一線を画すヨーロッパものも服好きの間では有名で、とりわけフランス軍のそれは作りやルックスが素晴らしいと評判だ。代表的なM-47トラウザーズ前期の縫製の良さを伝えるべく、マルタンマルジェラが裏返してコレクションに登場させたのはよく知られるところ。他にも、M-47後期やM-52チノトラウザーズはつとに有名である。強いていうなら、今身に着けるうえでモダンな街並みとも共鳴させるためのひと工夫欲しいところだが、その辺りはさすが〈COMOLI〉のデザイナーを務める小森啓二郎氏はよく心得ている。ブランドの定番に数えられる「フレンチアーミーチノ」。実際のウェアに倣ったディテールはやはりオトコ心に刺さるものがあるが、とはいえ単なる模倣に終わらせず洗練を感じさせる佇まいに仕上げている。その名品へ、今回は別注しショーツを製作。ルックスはオリジナルを忠実に再現し、ミリタリーならではの粗野っぽさがありながらどこか品も感じさせる姿に仕上げた。ゆえに、そこへ長袖シャツを合わせたとしても違和感は皆無。そう例えば、ブランドで展開している、通気性がよく風合いも柔らかなカディコットンシャツとなら心地いい夏を楽しめるに違いない。本物を求めつつ気持ち良さも得たいわがままな大人たちには、まさにおあつらえ向きな一本なのである。