サステナブルの観点からか、最近はヴィーガンレザーの需要が高まっている。というと、まるでリアルレザーが悪のようだが、実はその逆。なぜならレザー製品に使われているのは、私たちが食べているお肉の副産物だから。つまり、食用となる家畜動物の皮を有効利用して作られているのだ。皮をリサイクルすると産業廃棄物が減るだけでなく、レザー製品となって新たな価値も生まれる。しかもエイジングを楽しみながら長く愛用できる。世界的に見ても肉食が多い状況も考えると、循環経済のサイクルの理にかなっており、リアルレザーこそサステナブルだと思うのだ。〈Sisii〉は2000年に誕生した、神戸を拠点にするレザーブランド。ブランド名には”再生”の意味もあり、もしかしたらアイテムが生まれる背景も配慮して名付けたのかもしれない。今季ビショップが別注したのは、オーバーサイズのライダースベスト。国内の自社工場でレザー職人によってなめされたレザーは、ブランドならではの軽くて薄くしなやかな質感。それによって見た目の上質さを高めるだけでなく、ライダース特有のハードさまでも払拭している。また、アームホールを大きめに設定しているので、さまざまなアイテムとレイヤードできるのもポイント。たとえば、春はシアーなニットやシャツと素材のコントラストを楽しんだり、冬はバルキーなニットやアウターとの重厚感あるレイヤードに仕上げたり。長いシーズンで活躍するライダースベストがあれば、着こなしがマンネリすることなく、スタイリングの幅も広がるはず。