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April1st

Lee

  • COLOR CHINO PANTS(EXCLUSIVE)

    ¥16,500

“デニム以外”に見るブランドの懐の深さ

アイテムの中には、手にした人によって捉え方が異なるものがある。分かりやすい例でいえば〈Lee〉の「WESTERNER」のジャケットやボトムス。〈Lee〉といえば、アメリカンデニムの御三家に数えられる名門ゆえ、どうもデニムウェアの印象が強い。だがしかし、特定の職業用ワークウェアの製作、従来のものとは一線を画す動きやすさ、軽さ、強度を担保したジェルトデニムの開発、ジップフライの採用など、常に革新的アイデアで業界を盛り上げてきた。「WESTERNER」だって御多分に洩れずだ。「Lee Riders」と並ぶ同社の名作のひとつで、デニムとは異なるコットンサテン生地が目を引く。もとはアメリカ西部のカウボーイ向けに作られたものとされているため(シリーズ名からもその名残がうっすらと)、アメカジを代表する一着として認識している人は多い。ただ、1960年代にアイビーリーガーたちの間で大流行したことから、人によってはアイビースタイルの必需品と捉える人も少なくない。現に当時、〈Lee〉はアメリカ東部の学生向けの広告に“スラックス”という言葉でもって紹介。片や、西部で馴染みのある雑誌『DUDE RANCHER』の広告ではカウボーイスタイルの新定番として打ち出している。今回の別注は、パターンを一からおこし全体的にゆとりをもたせつつスッキリ見えるように微調整。ピスネームやパッチなどの当時のディテールはそのままに、生地をライトツイルに変更し春にぴったりな色味に仕上げた。その姿はまさにデニム革新派の面目躍如といったところ。軽やかかつマイルドな色味は、あらゆる印象を払拭しアメカジでもアメトラでも受け入れてくれそうな懐の深さを見せてくれる。

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