生地から細部まで考え抜かれた
普通であり贅沢でもあるシャツ

サステナブルに関する取材で、「基本的に洋服は買わない」というモデルがいた。当時は極端だと思ったが、その思考はあながち間違いではないのかもしれない。なぜなら彼女は洋服を大切にしているからこそ、洋服を買わない思考に行き着いたからだ。サステナブルなモノ作りのブランドを選ぶのも大切だが、私たちがまずするべきは洋服を長く愛用すること。そんな小さな積み重ねでも、地球環境を守ることにつながると思うから。2021年に始動した〈WARDER〉は、その思考を体現しているブランドともいえるだろう。“Everytime clothes with simplicity”をモットーに、着心地がよくて長持ちする普遍的なプロダクトを発信している。生地のみならず縫製やディテールにもこだわっていながら、中間マージンをなくすことで価格を抑えているのも特徴だ。このシャツに使われている素材は、世界三大綿のひとつであるエジプト綿の中でもさらに高品質なフィンクスコットン。それをシャトル織機で織り上げ、シルクのような光沢となめらかな肌触りのオックスフォード生地に仕上げている。また、オーダーシャツの仕様であるほつれにくい根巻き付けのボタンにするなど、細部まで抜かりない贅沢な作りにも目を見張る。なによりオーセンティックなデザインに引き立つクロップド丈。ただ短いだけでなく、タックインしなくてバランスよく見える丈に設定されている。これは気軽に着られるBDシャツを目指して生まれた発想だという。長く愛用できる普遍的なアイテムというには、少し突拍子のないデザインかもしれない。でも、そんなヒネリやユニークさがあってこそ、愛おしさが増して長く着たいと思わせるのではないだろうか。