ブレザーと聞くとどうも紺をイメージしてしまう。ただ、諸説ある起源を紐解いていくと、その一説に燃え上がるような赤だったという話も。それによれば、1825年に創設された大学のボートクラブで着用されたユニフォームがはじまりとのこと。そう、テーラーの間でスポーツコートと分類されるように、ブレザーはもともとスポーツアイテムなのである。そんな歴史に着目したのは、考古学者でありイギリスの名門ボートチームにも所属していた背景をもつジャック・カールソンと、その相棒のケジア・ビアルだ。彼ら〈Rowing Blazers〉のデザイナーたちが作るブレザーは、NYにてハンドテーラリングされたこだわりの一着で、有識者たちの評判もすこぶるいい。ではこちらのラガーシャツはどうか。ラグビーのルーツは1823年。発祥の地は英国とされる。以降、上流階級の間で広まり、英国領だった地域を中心に浸透。1947年に英国連邦の1国として独立したニュージーランドもその範囲だ。ラガーシャツの型は大きく分類するとイングランド型とニュージーランド型に分けられる。こちらを見る限り、トップボタンまであしらっていることからイングランド型か。鮮やかなボーダーと小粋な小襟が印象的である。どうやらイングランドでは、試合後に対戦チーム同士が集まりアフターマッチファンクションなる歓談会を催すのが伝統らしい。お酒を酌み交わしながら試合についてあれこれ話し合う場のようだが、そこでは正装が義務付けられブレザーは必須。ゆえに、そのインナーへ合わせられるドレスシャツのような構造のラガーシャツが作られたのだとか。そう、ラガーシャツにもブランドのアイデンティティは落とし込まれているのである。