山着であり、街着でもある高機能アウター

振り返れば1970年代。『Made in U.S.A. Catalog』や『ヘビーデューティーの本』といった書籍から、国内でアウトドアブームが到来。アメリカ由来の様々なアイテムがシーンを賑わせるようになった。それから時を経て、’90年代に再びアメカジブームの追い風を受けアウトドアカルチャーがシーンに舞い戻る。バブル崩壊の煽りとも言われるが、とにもかくにも『OUTDOOR EQUIPMENT』などの雑誌が登場し、より我々との距離は縮まった。機会があれば、是非とも関連雑誌や書籍をご覧いただきたい。そこに登場するアイテムは今見ても色褪せず、なかなかにして興味深い。GOLDWINにオーダーしたこちらもまた、ベースは’90年代の“マウンパ”だ。生地には往年の表情を生み出すべく、GORE-TEX PACLITE®を採用。GORE-TEXらしい優れた防風、防水機能を備えつつ、クラシカルなハリ感を見事に表現している。とはいえ、単なる懐古主義的アイテムではないところがキモ。ステンカラーコートのようにタウンユースできるマウンテンパーカーを作ったら、との発想から生まれた通り、なんともすっきりとモダンで山着らしからぬ出で立ち。型からオーダーし仕上げたふくよかな袖、短い着丈は、現代的着こなしにもすんなり落とし込める。どこか懐かしさを感じさせつつ、今の生活にもアウトドアフィールドでも重宝しそうなこの一着。山と街を行き来する男女だけでなく、普段着に機能性を求める男女にも捧げたい。