こんなアワードジャケットを
探していた

ベーシックやオーセンティック好きにとってアワードジャケットは、MA-1やダッフルコート、バルカラーコートなどと並ぶ永遠の物欲アイテムの一つ。「すでに持っていたとしても、いいものを見つけるとつい欲しくなってしまう」アイテムの一つではないだろうか。とは言ってもすでに市民権を得ている人気のアイテムだけにその種類は様々。ヴィンテージショップからブランドものまでたくさんのデザインが出回っているため、その中からしっかり良質なものを吟味しないといけない。審美感のポイントは “重さ” と “シルエット” だ。野球の試合中にベンチの選手が体を冷やさないために着用するユニフォームを起源とするアワードジャケットは、それゆえシルエットが大振りで重い。街着として着るためにはそれらの点をモディファイする必要があるが、そのさじ加減が重要。やりすぎてもやらなすぎてもいけないのだが、ジムフレックスのそれはそのバランスが絶妙。理想的な仕上がりと言っていい。まずはとにかく軽くて柔らかい。百聞は一見にしかず。袖を通してもらえればすぐに実感できると思うが、それはウールナイロンのメルトン生地をブークレにし、中綿の代わりにフリースを採用することで柔らかさと軽さを実現しているから。さらに袖もカーフではなくラムにすることで軽量化を加速させている。着丈は少し短めにしながら身幅をしっかり取ることで、スマートなバランスとレイヤードのしやすさを両立。ミニマルに削ぎ落とされたデザインはいろんな着こなしに対応することができる。フロントがボタンではなく両開きのジップというところもシャープな印象を後押しする要因と言えるだろう。今まで理想のアワードジャケットに出会えなかった人はもしかしたらこれがそうかもしれないし、すでにお気にいりのアワードジャケットをお持ちの人も違う目線で楽しめるはず。アワードジャケット沼は、やっぱり深そうだ。