オーセンティック、あるいはトラディショナルなプロダクトの魅力を抽出しながら、現代的なムードへと落とし込む。今や多くのブランドがその作業をしてアイテム開発をしているが、その作業において特筆して卓越しているのがキャプテンサンシャインだ。エッセンスの抜き出し方、フォルムのまとめ方、ディテールの足し引き…。そういったアレンジメントの仕方にとにかくセンスがある。クラシックでモダン。トレンド性がありつつエターナル。絶妙とはまさにこのことだといつも感心させられる。ヨーロッパ古着好きには比較的メジャーなフランスのメカニックジャケットをモチーフにしたこちらも、まさにそんなアイテムのひとつ。フレンチミリタリーの洗練された無骨さはきっちり残しながら、ディテールをブラッシュアップすることで現代的な目線で見ても洗練された印象に。そして何より素材が秀逸で、独特のムラ感が生まれる古き良き英国式紡績機にてコットンを紡ぎ、そこにリネンをブレンドした渾身のコットンリネン素材を使用。旧式のウール織機でゆっくり織り上げることで、膨らみ、シャリ感、ドライなタッチといった独特の風合いが実現されている。言葉では形容し難い絶妙な抜け感が漂うのはそのためだ。硬派になりすぎず、軟派にもならず。まさに硬軟織り交ぜた、珠玉のアイテムだ。