クラシックとモダンを
同時に叶える名作を復刻

オーセンティックであることは魅力的だが、凡庸では面白くない。とはいえ奇をてらいすぎるのも、大人の身だしなみとしては考えものだ。地に足をつけながらも人と違う選択をする。それが実践できた先に、一歩踏み込んだ着こなしがある。そんなとき有用な手段が、復刻アイテムという手段だ。例えばバブアー。この「FLEECE LINED TRANPORT」は1999年に展開していた、知る人ぞ知る名作。伝統的なワックスドコットンを使いながらも、一見バブアーとはわからないまさにツウ好みの一品だ。フリースの裏地や立ち襟のデザインなど、当時のディテールは踏襲しながらもシルエットに少しゆとりを持たせて今っぽさを加味しているのがポイント。現行のものは襟にコーデュロイをあしらっているものが多い中、こちらはシンプルにフリース仕上げ。全体的にデザインがミニマルで、スタイルを限定しないところもいい。つまり、クラシックなスタイルが好みの人のワードローブにも、ストリートなスタイルが好みの人のワードローブにも、難なく馴染むというわけだ。オーセンティックでありながら凡庸ではなく、汎用性の高さがありながらもきちんとした主張もある。洗練と個性を同時に求める大人のための的を射たアウターとは、まさにこんなアイテムだ。