ギャップや意外性をモノにすると
着こなしの格は上がる

意図的に違和感を演出するというのは、現状をもう一歩先へと進めたい時にとても有効な手段。例えばカジュアルな着こなしに知的なメガネをかけてギャップを演出するのも然り。スイカに塩をふって甘みを引き出す隠し味も然り。ベーシックで上質なスタイルを標榜するBshopにとって、エンジニアドガーメンツのエキゾチックレザーのシューズは、まさにそのための理想的なアイテムだ。ベーシックなスタイルにローファーという選択肢はごく当たり前だが、そこにエキゾチックレザーを採用するというアプローチが、ちょっとした違和感としてまず面白い。しかもこのアイテム、よく見ると素材使いが左右ランダムになっていて、実は個性的に落とし込まれているという意外性でさらに面白い。エキゾチックレザーというだけでも一歩踏み込んでいるのに、それがアシンメトリーとなれば、これを使いこなす人物はそれだけでかなりの巧者であることは認めざるを得ないだろう。スニーカーを左右色違いで履くいわゆる“ネガティブ履き”というものがあるが、これはそこまで突拍子もない変化球ではなく、気づくか気づかないかのさりげない匙加減がミソ。奇を衒うというほどのことでもない、絶妙な遊び心が洒脱なのだ。