スタンスミスはなぜこんなに、老若男女問わず世界中で愛されるのだろう。デザインがシンプルであり着こなしを限定しないこと。カジュアルなスニーカーでありながら程よく品があること。履き心地がいいこと。…しかしそういった条件を満たすスニーカーは他にもある。『世界一売れたスニーカー』としてギネスに認定される程多くの人に愛される理由は、きっと他にもある。
そのひとつとして考えられるのが、“カルチャー感”が匂いすぎないということかもしれない。本人が意図せずとも、足元には履く人の主張が出やすいもの。あるスニーカーを履けばいかにもアメカジ的だったりするし、あるスニーカーを履けばスケーター&サーフカルチャーが強かったりする。ランニングシューズはどこかアクティブすぎたりもする。その点スタンスミスは実にニュートラルだ。トレンドがうつろいでもいちいち左右されることなく、どんなスタイルにも臨機応変に馴染む。前述した通りスポーティでありながら適度な品の良さがあり、大人のカジュアルスタイルに最適。ジーンズやチノパンはもちろん、センタークリース入りのドレスパンツやニットパンツと合わせてもいい。かといって個性がないわけではなく、スタンスミス然とした存在感も放つ。ここまでオールマイティなスニーカーは他には見当たらない。しかも今年、素材がリニューアル。アッパーの50%にリサイクル素材を用いアウトソールに廃棄ゴムを用いるなど、サスティナブルな進化も遂げている。シューズクローゼットに常にストックしておきたい靴をひとつあげるとしたら、まさにこんな靴だ。