漂うのは今のLAに息づくサブカルチャーの香り

古き良きサーフカルチャーしかり、“ドッグタウン”と呼ばれる聖地を中心に育まれてきたスケートカルチャーしかり、LAは昔から多くの日本人を挑発し、楽しませてきた土地である。日本へ進出するLA発のショップやブランドが多いのはそのいい例だ。創業1938年の歴史あるローストビーフ専門店「Lawry’s The Prime Rib」、アメリカ最古のスペシャルティコーヒーチェーン「The Coffee Bean & Tea Leaf」、LAでトップクラスの人気を誇るカフェ「The Pie Hole Los Angeles」などなど。ファッションの分野に目を移せば、ステューシーやスタンプド、アミリといった錚々たる面々が顔を揃える。そのリストにもうひとつ新たに加えたいのが〈VIRGIL NORMAL〉だ。LAのシルバー・レイクにあるセレクトショップで、ヴァージル・ストリートとノーマル・ストリートに面していることからその名が付けられている。率いるのは生まれも育ちもLAでスケートシーンにも精通するアーティストのチャーリー・スタントンと、コスチュームデザイナー兼スタイリストのシェリー・クラタ。同店には、両名の琴線に触れたハイブランドの洋服だけでなくローカルクリエイターとのコラボものやアートブック、レコードなどが並ぶ。まさしく、LAサブカルの現在進行形を凝縮させたような陣容。とりわけ、グラフィックデザイナーとしても評価を得るチャーリーが手がけたオリジナルアイテムは評判で、ショップ情報を反映させたグラフィックはシンボリックなデザインとして広く知られている。こちらもその中の一枚。袖を通すことで、きっと現地の風をほんのり感じることができるはずだ。