第166回芥川賞に、地方公務員の砂川文次さんが綴った『ブラックボックス』が選ばれた。コロナ渦の東京を舞台に、主人公である自転車メッセンジャー、サクマの日常を切り取りながら、縮小傾向にある業界のリアルや現代日本の儚さを描いた作品。思えば1990年代、国内に登場した自転車便なる新サービスは郵政省の独壇場だった郵便事業に割って入り、それをテーマとした映画も作られるほどに大きな注目を集めた。発祥の地とされるNYでは、いまだアンダーグランドカルチャーとして根強く残っている(今じゃ違う危険なモノも運んでいるとか)。それはやはり多種多様な人種に寛容で、おのぼりさん的な人でも割よく稼げる点が大きいだろう(比例して危険も伴うけれど…)。ゆえに、世界各地でも同サービスは広く普及している。例えばドイツ。ピーター・ブランズバーグが同地で初となるメッセンジャーサービスを開始。その経験を活かしたバッグは、ベテランメッセンジャーたちから大いに支持を得た。そんな背景があるからこそ、彼が誕生させたブランド、bagjackは今でも多くの人から信頼される。環境に配慮した製品作りを信条に優れた耐久性を誇り、しかも個性的。少数精鋭の縫い子さんが作り上げる、正真正銘のメイド・イン・ジャーマニーだ。そこに別注をかけ生み出したのが、アメリカ空軍のヘルメットバッグをソースにしたこちら。実際の大きさよりもサイズダウンさせ、着脱可能なショルダーストラップまで付いた2WAY仕様。もちろん、自転車に跨りながらの使用も可能である。