ミリタリーウエアは、掘れば掘るほどにその世界の深みを知るジャンルだ。年代、国や地域、部隊、戦地などなど、その用途によって細かくデザインが差別化されている。一度ハマってしまったら抜け出せないミリタリー沼だ。さて、今回ご紹介するトロピカルジャケットもまた、ミリタリー愛好家の間では人気の根強いアイテム。元々の名前は、トロピカルコンバットコート。別名を、ジャングルファティーグ(1st)といい、熱帯地域での戦闘服として開発されたものだ。ミリタリージャケットの中でも最も軽い生地で製造されているのがポイント。アメリカ軍が、主に太平洋の島々をめぐる戦いにおいて着用していたアイテムだ。
ヴィンテージフリークもそのクオリティの高さを認めるブランド、〈orslow(オアスロウ)〉から登場したのは、1960年代のUS ARMYのミリタリージャケットをモデルにしたライトオンスデニムのトロピカルジャケット。薄手のデニムで仕上げることで、ミリタリー然としすぎずモダンな着こなしに合わせやすいところもいい。袖口の三角のマチや、肩の巻縫いなど、細部にも特徴的なディテールを採用している。ルーツに紐づきながらも硬軟のバランスを絶妙に整えたアイテムは、現代のリアルクローズの理想と言えるかもしれない。着続けることで増すエイジングもまた愉しみのひとつ。これは、数十年後の新たなヴィンテージウエアの元となる名作だ。