東京のストリート文化が花開き、黎明期を迎えた80年代後半〜90年代前半。その真っ只中である89年にニューバランスからリリースされたのが「PRIDE 550」だ。アスリート向けのバスケットボールシューズとして誕生したそのモデルは、肉厚なアッパーとクッション性の高いミッドソールが特徴。バスケットボールプレーヤーだけでなく、通なファッションフリークからも人気を集めていた。そして今年、満を侍してその名作が復刻。「BB 550」としてリリースされ話題となっている。
足なじみのいい天然レザーを使用したアッパーは高級感があり、一見ポップだが品の良さもある。小ぶりなNマークとボリュームのある独特なフォルムが特徴で、どこかヴィンテージ感を漂わせる佇まいが今の気分にマッチ。当時を知る人にとってはノスタルジックであり、知らない人にとっても新鮮で今っぽい。絶妙な魅力を備えた一足だ。
思えば90年代は、人と違うことが是とされる時代だった。いかに着こなしに意外性を与えられるかということに、多くの人が頭を使っていた。時代はめぐり、2020年代。90年代のスタイルが再び脚光をあびるのは、またそんな意外性が求められているからなのかもしれない。そういう視点で見ても、“ランニングシューズではないニューバランス”という選択はきっと、あなたのスタイルに新しい風を吹き込んでくれるはずだ。