近頃、にわかに盛り上がりを見せるフレンチヴィンテージ。中でも人気を誇るのがワーク&ミリタリー系だが、それを代表する素材がモールスキン。モールスキンとは直訳すると「もぐらの肌」。微起毛した生地の表面が似ていることからそう名付けられ、非常に丈夫なことから1910年〜1950年代くらいまで、主にフランスのワークウェアとして使われてきた。アメリカでいうところのデニムに近い素材というとわかりやすいだろうか。〈blurhmsROOTSTOCK(ブラームスルーツストック)〉のコートは、重厚なモールスキンと違い、薄手で柔らかく肌馴染みも良い仕上がり。洗濯を繰り返すごとに、少しずつ退色していき、着るほどに体に馴染んで深い味わいが生まれる。
学校の先生や事務員から多くの芸術家まで広く着られていた、フレンチヴィンテージの定番でもあるアトリエコート。フランスのエスプリが香る服はカジュアルだがどこか品があって、大人のデイリーウエアにうってつけ。そういえば、デニムの語源もフランスだ。モールスキンのコートにジーンズのコーディネートは、さらりとしているけれど実に絵になる。文脈を理解して着こなすことで、服をよく知る大人の装いが手に入るはず。